そう思い込めばいい。

 小さな街である。

 

 一応区分け的には「市」であるけど、人口3万そこそこ。全国にはここよりも大きな「町」だってあるだろう。


 この街を高速道路と国道が貫き、通過しようと思えば10分とかからず抜けれてしまう。


 本当に狭いコミュニティだから、「あそこの○○さんは、あーだった。」なんて話はアッと言う間に拡がる。悪い事は出来ない。先日うちのすぐ隣で起きた火災の原因を、翌日にはボクの周りで知らない人はいなかった。


 そんな小さな街で生きるのに、みんなの移動手段はもっぱら自動車。みんな忙しい。伊那谷だけあって東西の移動は坂も多い。


 でも、市街地の中ならそうでもない。多少傾斜はあるけど、ママチャリで移動してみてもアッと言う間にほぼすべての主要施設は回れる。車で所要時間が5分だったところが10分に伸びるだけ。

 学生の頃の二子玉川から瀬田に上る坂の方がよっぽど激坂だった。だし、ここに住む学生達はもちろん黙って自転車に乗ったり歩いてる。


 便利な物を知ると、以前のアイテムを使えなくなる。(最近入手したタブレット最高)

 学生は「車」と言うアイテムを自分で扱う便利さを知らないから自転車に乗る。自転車がマストアイテムだから。で、免許を取ると自転車はポイ。当然の流れ。


 流れに反して大人も街を自転車で走ってみれば、田舎でも意外と大した苦労は無い。あれ?ってくらい。かえって気持ちが良かったり、ゆっくりした気持ちになれる。


 運動不足を気にするお客様とよくこの話題になるんだけど、

 「もしここが東京だったら同じ距離でも歩くでしょ?車なんて無いんだから。」って。

 時々都会に行くと、恐らく自分でも引く位歩いている。こっちなら確実に車で移動する距離を。結局のところ場所が違えば歩けるのだ。それしか手段が無い場所に行けば。

 

 だからここは「東京」なんだと思い込めばいい。

 したら、自力で移動するしかないんだから。


 「不便な街だから」とかって言いながら近距離をブンブン車で走る発想から変えてみたい。

 せめて休日だけは買い物は歩く、自転車にするとか、決め事にしてしまってすぐそこのコンビニに行くのにキーを捻ってブブブブンて回数を減らしていきたい。ちょっとの事でもその発想が身体を喜ばせる。