話が違うじゃねぇかぁ

すっかりお正月気分も過ぎ、2015年も始まりました。

今年もよろしくお願い致します。


時間の流れの速さを新年を迎えるたびに感じるのですが、短い1年短い1日の中でも、世の中の動きがどんどん変わって行きます。昨日の正義が今日は悪なんて位の勢いで。


人間の身体に関する知識も、少し時代が過ぎればまるっきり180°違う事が正しいと言われてしまう事柄もあるので、常にアンテナを張っていないとすぐに置いて行かれます。

皆さんがよくご存じなのが、水分補給ですね。

数十年前は水分を摂ると怠くなるから飲むな。と言うものが今では積極的に補給するべし。ってやつ。


水分補給に関しては、精神論や根拠もないしごき的な部分もあるので、一概に人間科学の誤りではないのでしょうけど、近年は数年前までこれが常識と言えた科学でさえも、いやいやそう言うもんでもないぜって話が至る所から出てきます。


必死こいて学んだ方からしても、それをアドバイスされた側にしても

「えっ、違うの?話が違うじゃねぇかぁ」

ってことなんです。


あれだけ当たり前として推進されてきたケガしたてホヤホヤ急性期のアイシングでさえ、今では「冷やさない方が良い」と言う意見まで出てきています。


マジか?と言う思いもするのですが、「炎症」と言う概念を考えてみれば、身体が通常でない状態に陥った場合から回復に向けて最初に引き起こされる反応であって、防御反応と言われればその通り。いわば身体が回復しよう。守ろうとしている活動により引き起こされる外観的症状の総称。

だからその守ろうとしている症状を冷やす事によって抑えるのはどーなのよ?アイシングするのは良くないんじゃないの?ってことなんです。


んー。んー。んー。まぁ確かに言わんとしてる事は分からんでもない。

発熱は細菌やウィルスと戦っている証拠だから無理な解熱はしない方が良いと言う意見と本質的には一緒の考えですな。


じゃぁ、炎症が守ろうと言う反応なら、その炎症が更に拡がる様に助長してやれば守るパワーが強くなって回復が早くなるんですか?っちゅう事になりますね。そうなると途端にこの考えにはクエスチョンが付き始めます。


パンパンに腫れ上がった個所をガンガン温めて、ゴイゴイ動かして「炎症よ拡がれーっ!」って誰か犠牲になってやってみて感想を教えて下さい。考えただけで地獄です。

仮にアイシングNG論の方が回復が早いとしても、激痛を伴い結果的に体力と精神が疲弊します。

これはボク的に回復とは言いません。


現場の判断とすればボクは今でも迷わず「アイシング」を選択します。

付け加えて、故障個所以外の周辺部には加温するのがベストでしょうかね。



と言った具合に、世の中何が正しくて、間違っているかの答えがハッキリしない事例はいくらでもあるでしょう。そういった中迫られる決断の際、何を優先させるかはハッキリ言って「今までの経験と現場の声」しかないと思います。

自分の経験の中で、こっちの方が経過が良かったと思う方を選択するべきだと思います。


参考書片手に「へぇ。最近は冷やさない方が良いらしい。じゃぁ冷やすのを止めておこうか」ってのは違うんじゃないかなと思うのです。

新手の知識や情報を利用してよいのは、過去の経験を凌駕するほどの結果をもたらすと言う確固たるエビデンス(証拠となる理論)を得てからだと思います。

そういう基準を設けておかないと本当にどうしたらよいのか分からなくなります。


現代は情報の渦に巻かれるおっかない時代なのです。


なので、ボクは「直感」てやつを100%信用しております。


「直感」ていうのは、【今までの経験により得られたデータによりはじき出された瞬間的な答え】。だと勝手に解釈しているので、ほとんどその直感は正解であるだろうと思っているのです。

実際もほとんどが正解に近い答えを選択出来ていると思います。

「インディバ・アクティブ」導入なんてのは100%直感でしかありません。直感が「これだ!行け!」って言うんでそれにしたがってみただけです。


なので、その「直感」が外れた場合、これはもうしょうがないと諦めるしかありません。サッパリと。

選択をするとき、自分が外れた答えを導き出す位の経験やデータしか持ち合わせてなかった。要は未熟だったと反省するしかないのですね。


ボクの場合、悩んで出ない結論は「直感」です。当てずっぽうじゃなく。

あとはお客様から「話が違うじゃねぇかぁ」と言われないよう日々精進です。