強くなるために

中学、高校などの部活動がこの時期活発化し、なかなか忙しい日々を送っております。

中学生の頃から、身体を見させてもらっていたあの子がもう高校の部活を引退かぁ・・・などと時間の経過の早さに恐ろしさを感じているところです。

 

本当に時間と言うものはアッと言う間に過ぎていくものです。

 

中学や高校などは、一部の部活動を除いて、入学から3年生の夏前後までが一般的ですから、正味2年半弱しか期間がない訳でして、決して1日たりとも無駄には出来ないのです。

 

 

その中で重要なのが、いかに短期間(効率的に)で強くなる事が出来るか。ですよね。強くなると言う意味は精神的、肉体的な面はもちろんですが、結果「勝てる様になるか」です。

 

ボクが実際中学から高校に進学し、高校野球を始めて最初に感じた「壁」はスピードでした。

目が速さについていかない。

13歳から15歳のスピードから、いきなり先輩達16歳から18歳のスピードに変わる訳ですから至極当然ではあります。この年代はクラスマッチをやれば必ず最上級学年が優勝するように年齢による格差は圧倒的です。

ピッチャーの投球、打球の速さ、試合自体の進行、すべてが速い。

玉拾いに明け暮れた時期は「こんな野球ボクに出来るのだろうか」と不安になったものです。

 

おそらく、野球に限らず全ての競技で新入生が真っ先に戸惑うのは「スピード」だと思います。

これはボクの中では確信を得ています。

 

 

かと言って、いつまでもそのスピードの壁に戸惑うかと言うと、一緒にやっているうちに、そのスピードにも慣れ1年生の夏休みの新チームの頃には全く普通にプレーが出来ているのです。

 

で、ここで問題解決と思いきや、実質慣れたそのスピードと言うものは、自分が所属したチームのスピードに慣れるだけであって、その他のさらに速いスピードでプレーするチームに対応出来る訳ではないというところが出てくる訳なのです。高校野球のスピードの慣れた訳ではなく、母校の野球のスピードに慣れただけだったのです。

 

ですから、強豪チームのピッチャーを見るとそこはそこで「やっぱ速ぇなぁ」と感じてしまいます。

そこで勝負は終わりです。

 

しかし不思議なことに、仮にしばらくその強豪チームに混じって練習しているとそのスピードが自然と感じる様になり打てる様にもなってきてしまうのです。

ですから好投手がいるチームは自ずと打線も強力になっていくケースが多いです。そりゃ好投手のボールを毎日見ていれば、他の投手のボールなんて打てる気がしますもんね。

 

 

でここで、ボクの勝手な提案として思いつくのが、

一般成人のチームの中に、中学生のチームを放り込んで定期的に練習や試合を行わせるというものです。

 

この時代、成人チームも若い世代の選手がなかなか加入せず、人手不足により、練習もままならず、更には解散などというケースもよく耳にします。そこに中学生を合体すれば、合同練習と言うことで人員が確保でき、中学生は大人のスピード、パワーを目の当たりにすると言う一石二鳥といったメリットを出すことが出来るわけです。合同練習などは時折行われますが、これにきちんと継続性を持たせる事が重要です。

 

 

力関係なんて問題ではなく、中学生は大人に圧倒されれば良いのです。

そもそも大人は狡猾です。なにしろ経験がある故のプレーができます。

 

そこでとにかく喰らいつき、悔しさ、無力さを感じ考えれば良いのです。でも続けていけばいつか必ず「あれ?慣れてきた」と思える瞬間が来るはずです。とにかく定期的に継続させる事が重要です。大人とのプレーに慣れてしまえば、今度は強豪とは言え同じ中学生のチームなら、全然ひよっこに見えても来るでしょう。こんな効率的な方法はなくないですか?

強いチームみ勝つには、それよりもっと強い環境に揉まれるのが一番です。

 

ボクが中学生の指導者であれば、まず一緒に定期的に相手をしてくれる成人チームを探します。ある意味ユースチーム化ですよね。いづれ卒業生がその成人チームに入るように流れが出来れば良いのですから。


高校野球の選手はぜひ、トップレベルの軟式野球の試合を観てもらいたいものです。

1点を取ることの大変さ、1点を守ることの重要さを身に染みるほど感じて欲しいです。

この1点は捨てても良いからなどと言うのは硬式野球だけの発想で、ましてや学生自分にやるべき野球スタイルとしては悲しい事です。トップの軟式では有り得ないスタイルです。これは硬式の選手でも学ぶべきものがあります。

 

こういった年齢層を超えた交流が、その地域全体の競技レベルの底上げになる根本ではないかと思う次第であり、野球でいうプロとアマの垣根の様に、もしチームの所属する連盟、協会の違い、保護者同士による問題等で交流を妨げる様な意見が出て、実際に禁止するような話になれば、その地域のスポーツ発展も終わりと言うものです。