理論も大事だが。

すっかり4月の更新をサボってしまいました。

 

SNSを眺めていたら、いわゆるトレーナー的団体のボスが、ある有名なプロ野球選手の打撃練習写真を載せなながらこう一言呟いてた。

 

「早く、誰かがなんとかしてあげないと。」

 

どこをどのようにと言う記述は一切なしのまま。

そしたらそのボスのお弟子さんたちでしょうか次々に

 

「ホントですね!」「あらら。大変なことに」「あそこのポイントの事ですね」

 

と。ハイハイぼく達には分かってますよと言った感満載のコメントがズラリ。

 

 

これ、当のプロ野球選手が見たら相当頭にくるでしょうね。とボクは思った。

言いたい気持ちは分かるけどさ。

 

選手にしてみたら、お前らにオレの野球の何が分かると。

 

子供の頃から何十年と続けてきたプロ(しかもこの選手はタイトルも獲っている)に対して、○○骨の角度がどうたらで「こいつダメだぜ」のレッテルを集団で貼ってしまう。怖い。

他にやる事があるだろうと思う。

 

確かに理論ではバランスが取れていた方が良いに決まっているが、取れていないから試合に勝てないとかケガを確実に起こすと決まっている訳でもない。

CMに出て来るあるスポーツの世界No1プレーヤーの背中の左右差がガッタガタなのに愕然とした事もある。でも彼は紛れもなく世界一である。

 

きっとそこには彼なりの、彼独自のバランスがあって、彼だけが積み重ねたノウハウがあって、彼だけの競技に対する心がある。魂と言うべきか。

 

それが世界トップじゃなくても、高校生でも小学生でもきっと全ての人たちが何らかの形で独自の形と心を持っている。そこを理解していかないと「お前が庶民を語るな」と思ってしまうどっかの日出ずる国の政治と同じになる。

 

明らかに反対方向を向いている場合は無理やりでも正す必要もあるかもしれないが、彼らの取り組み方に、理論や理屈だけ抱えた人間が土足で踏み込む事はあってはならない。

みんな確かに興味があるとこだけど、それにしてもちょっとこの頃、いろんな理論(科学的根拠の理論より、その人独自の持論が圧倒的に多い)が多すぎる気がする。

 

 

とかくボクらの様な事を生業にしている人間は、人様から何らかのアドバイスを求められる機会が多くなるので、全てを悟っている様な気持ちになりやすく、上から目線になりやすい。

その範囲はズブの素人のクセに、アドバイスと称して分かったような事を言いかねない場合がとても多くなる。これは本当に危険な事。ボクも気を付けなければならない。

 

そろそろお田んぼの季節。

草刈りから何から皆さん本当に大変ご苦労をされながら作業を行っている。

そんな所へボクがひょこひょこと「苗を植える肘の角度はもうちょっと立てた方が良いですよ。」

と言ってみたもんなら、

 

・・・うるさいのである。